2012年8月9日木曜日

拝啓Sちゃん No leggings? インド大学ドレスコード事情

拝啓(仮)ルームメイトSちゃん


初の定期テストも終わりほっとしていることかと思いますが、お元気でしょうか。


テスト中は停電やヤモリ出現で「もう、このド田舎なんなのよ」とか思ったでしょう。

これが現実です。慣れましょう

この2週間でいろいろ気づいたあなたの魅力を書き留めておきたいと思います。


ベッドのシーツくらい、自分で洗いましょうね。学生さんなんだから誰かにお金払って洗ってもらうなんてよくないわよ。あと、部屋の窓のところにパンツを干すのはやめましょう。干す場所は別にあるのだから。


勉強って、大変よね。私もテスト直前になって参考書を開いて読むってことはよくある。でもね、私は読み上げないのよ。テスト前にぶつぶつと教科書を読み上げるのはタミル生徒だけのものかと思ってたけど、あなたもやるのね。おかげで自分の勉強の他にあなたの勉強してることもわかって、大変参考になったわ。


勉強って、大変よね。勉強のストレスがたまったときに友だちと話すとスッキリするわよね。でも他に勉強しているがいるところで話すのはやめましょう。言葉がわからないからと言って聞こえないわけではないのよ


確かに先週私はブドウを買って食べました。でも私のは紫。だから私(とあなた)のベッドフレームのすぐ下に落っこちているマスカット粒は私のではないわよ。数日間ほっとかれてレーズンになってたから、破棄しておきました。それと、私ピーナッツは部屋で食ってないわよ。床に落ちてるのが見えなかったのかしら?ほうきがあるのは知ってるわよね?


明らかにおトイレを使ったあとに、流す音がしないのはなぜかしら?どういうことなの?


毎日神様にお香を焚いてるのね。神様への敬意を払ってるのね。同室の人にも敬意を払ってみたらどうかしら?たとえば、「毎日お祈りをするのでお香を焚いてもいいかな?」と言ってみるとか?それと、マッチの燃えさしがたくさん床に落ちてるのはどうかと思うわよ


たぶんまだあなたはこちらの気候や生活に慣れていないのね。お昼の時間に授業から戻ってきて、午後の授業開始までちょっと休みたい気持ちはよくわかる。でも、窓をしめきってお昼寝をするのはおススメできないわね。部屋にあなたの体臭が充満してるわよ


この間「食べ残しは部屋の前のごみ箱じゃなくて、ダイニングホールで処分してね」と言ったのを覚えてるかしら。これは私たちの部屋の前のごみ箱じゃなくて他の人たちの部屋の前のゴミ箱だったらOKという意味ではないわよ?わざわざ他の人の部屋の前でこっそり捨てるのであれば、ダイニングホールまで行っても同じではないかしら?


バスルームの前のマットレスはぬれた足をふくために置いてるの。外でもはいてるあなたのサンダルで踏みつけないでちょうだいね


まだあと数日間はあなたと一緒に過ごすでしょう。まだまだ知らないあなたの魅力に気づくのがとっても楽しみ



  ●  


この間の月曜日のThe Hindu新聞の別紙Education Plusの一面に載っていた読み物。Education Plusは大学に入る前の生徒や大学生向けにインド各地・海外の大学情報や、就職に関する情報を掲載している、自分が高校生だったらすっごくありがたいだろうなとたまに思っています。

もと記事がサイトで見当たらなかったのでここに訳しますね。大学名も掲載されてましたがめんどくさいのではぶいてます。:



カレッジでレギンスはダメ?
規律を守るために厳しい服装規制を設けカレッジ[このへんでは学士の教育機関]が増えている。
制服を脱ぎ捨て、これからは自由な服を着られるとワクワクしながらカレッジにやってくる新入生たち。たいてい最初の数日間でガッカリすることになる。今年度に入りキャンパスそして寮でドレスコード規制を高める動きが、チェンナイのカレッジで増えている。学生たちの嘆きの声は最もであるが、カレッジ運営側は服装規制がキャンパス内の規律を守ることにつながると考えている。
人気のカレッジでも服装規制が強まっている、とある学生は語る。しかし彼女のカレッジは他のカレッジに比べればまだ「自由」な方である。生徒はジーンズをはくことが許されている―ひざ丈のKurta[襟なしのチュニックのようなシャツ。たいていKurtaはヒップが隠れる程度の丈]を着れば、であるが。他のチェンナイカレッジでは、今年度からレギンスをはかないようにと生徒に伝えている。ある教授によれば、共学の教育機関ではドレスコード設定が規律を乱す要素の発見につながるとのことである。
ドレスコード自体はともかく、こういったルールを設けることになった理由づけに生徒たちは不満をもらすかもしれない。ある大学では2年前にキャンパスを「セックスレス」にするためにドレスコードを制定した。別の大学は「規律を乱すため」Tシャツとジーンズは禁止となった。「おかげで、男子生徒と女子生徒は教室で別々の場所に座らなくちゃいけないのよ。今もね」と生徒は語る。生徒がドレスコードを守ると誓約書にサインをしなくてはいけないところもある。
「私たちの大学は自由を重んじています。生徒にも自由を与えているし、何を着てもかまわないです」と学長が言うこの大学でも、何を着るべきか生徒にオリエンテーションを行っている。寮の食堂に寝巻きで来るのはNGだ。
また別のカレッジでは90年代まで生徒はサリーかハーフサリー[スカートをはいて、短いサリーを上から巻く南インドの伝統的な服装]、と決まっていた。近年ではSalwar Kameez [いわゆるプンジャービドレス、長いチュニックとゆったりとしたパンツのセット]Dupatta [ショール]を身につけることが許されるようになった。「公共機関で通学してくる生徒の安全のために、服装を規制するのは必要なことだと思います」と学長は語る。今年度から長めのKurtaを着るのであればジーンズ着用も許されるようになったそうだ。
もし袖のボタンをあけてシャツを着ていると、「あなたの息子さんはしつけがなってない」と両親が呼び出されるところもある。男子生徒はフォーマルなシャツ、女子生徒はゆったりとしたSalwar Kameez、というのがここの絶対的なドレスコードである。学長いわく「カレッジは寺院や教会のようなところなんです。学生は真摯でいなければ。このためにドレスコードは必要なんです。」大学関係者は服装規制が女性とをハラスメントや男性の目から守ると考えているのだ。
「共学のクラスにVulgarity[卑猥]、Obscenity[猥談]、その他のDistraction [気が散ること]があってはならない。ある意味、私たちは生徒にトレーニングを与えてるんですよ。ドレスコードを守っていれば将来IT産業やMNCs [Multinational Corporations=多国籍企業]で仕事ができますからね。生徒たちはあるシチュエーションでどのような服装をしたらよいのかわかっていないようですから。」
インドの都市部でいえばデリーバンガロールのカレッジは比較的自由な服装が許されているようである。しかし今年度から「ニットのKurtaと短いトップスは禁止」となったバンガロールカレッジもある。チェンナイは厳格ドレスコードナンバーワンだ。あるエンジニアカレッジでは「ショールは両側ピンでとめること」と決まっている。
「体にぴったりとついた細身の服装をする生徒はブラックリスト掲載。内部採点にも関わるからドレスコードは守ってますよ」と生徒は話す。
他の都市でも、袖なしのトップス、ローライズジーンズ、体のラインがわかる服はダメということろは多い。「ここではジーンズは下品だと思われてますね」と語るのはチェンナイの学生。
「厳しいルールを守らなくてはいけないのはたいていオンナノコなのよね。ドレスコードがないからと言って生徒がSpaghetti top [肩ひもの細いキャミソール]でキャンパスを歩き回るわけじゃないのに。Blanket ban [全面禁止]でできるだけ厳しいルールを採用しようとしてるのね。サイアクなのは、家族もこれをサポートしてるってことなの」と彼女は言う。
しかし、自由な服装を容認している大学もある。留学生やインド各地から学生が集まるところではこの傾向が高いようだ。「うちの大学ではドレスコードを設けるなんてムリ」と関係者は語った。

いやはや。

これを読んで

うちの大学なんて自由な方じゃん!!!!」

と思った!

メトロポリタンチェンナイでもこんな状況だなんてビックリ。しかも掲載されてたのはホントに有名な大学ばかりだったから。

うちの大学では一応、

女性講師は全員サリーを着ること

というのは決まっているそうです。博士号過程でも学士や修士のクラスを担当するときはサリーを着ることが奨励されてます。


というのもあるんだけど、守ってるのはひと握りの教授のみ。

でもどこにも書いてないのに暗黙の~って感じのルールが他にもあるようです。

男子生徒はフォーマルシャツを着ること

女子生徒はハーフサリーかChuridar(前述Salwar Kameezと似ているけどパンツが細身のことが多い)

とか。

オトコノコはここで書いたようにフォーマルシャツ・ドレスシャツが多いけど、学科によってはポロシャツOK、TシャツOKとまちまちみたい。詳しくは知らない。さすがに腰パン(死語)はいないけどね。

最近はハーフサリー着る人は全然いないので、基本オンナノコはChuridar。

私はChuridarなんて数枚しか持ってないし、Tシャツもジーンズもレギンスも着てる。服装のことで何か言われたのは一度だけ(スカーフを頭に巻いてたら「他の生徒と自分は違うと思うなよ」と言われブチ切れた)。

それは「遠くから来てるから、服装も違うし仕方ない」という、これも暗黙の了解だからです。

しかしこの「遠く」が問題なんですね

東北部の生徒たち(マニプールミゾラム)は私と同じ格好をしていても何も言われません。実際彼女たちはミャンマー国境に近く、顔立ちも東南アジア系で中国や韓国から入ってくる服を購入しているので、ぱっと見東南アジアの人と変わりません。特におしゃれな子は日本にいてもおかしくないって感じだよ。

でも、同じように他の州から来ていても、ドラヴィダ系(南インド)やヒンディ語圏の子たちはタミルの子と同じ服装=Churidarを着ることが義務づけられているのです。この子たちがジーンズを着ようものなら回りは白い目でみるわけですね。

チェンナイから着てる生徒がジーンズとかシャツでクラス受けてたら教授に目をつけられて、期末テスト受けてる途中に他の生徒の前で「お前はテストを受ける資格がない」と言われたこともあったそうだし…。

私はChuridarなんて全然持ってないし、こんなルールがあるのも知らなかったからそんなの守るのはまっぴらごめんだけど、かと言って「ミワは違うから」この暗黙のルールを破っているのもなんかイヤなのです。その一方で顔立ちが南インド系だからジーンズをはけない子がいるのはよくないと思うのです

全員OKにするか全員NGにするかした方がフェアでいいのにね。まぁ、私は全員NGだと困っちゃうけど。

ちなみに、ここでMBAを修了し今は博士号過程のマニプールシスターは、MBA時代は好きな格好をしていたけど博士号過程にすすんでからKurtaを着なくてはいけないと言われたそうで、今はKurtaを着てます。ジーンズと合わせてるけどね。

それと、タミルの子も他の州の子もレギンスの子はたまにいます。いたら目立つけど。あと、他の州(ケララ含め)の子のChuridar/Salwar kameezはちょっと地元の子に比べデザインやパターンがおしゃれなことが多いので、これも目立つね。

でもって、休みの日は地元の子もジーンズはいてるみたいよ。


何が言いたかったかというと。

…インドのど田舎でTシャツとジーンズで楽ちんな毎日を送れる自分は幸せだ。


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あら、Sちゃん!

毛布にくるまるくらい寒いんだったらそんなショーパンやめて、扇風機止めたらどうかしら?



敬具。

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