2013年3月30日土曜日

おせっかいを通り越してはたメーワク Student Protest (3)

こんばんワニ。


数日前「夜寝るとき天井のファン使う」を解禁しました。

寝るときにACやらファンやら使っていると朝ノドが痛いので多少暑くても使わないのだけど、さすがに夏に向けて暑くなってきたので。


そんな今日はGood Friday(聖金曜日、キリストが死んだとされる4月の金曜日)。ここにいる東北部の子たちはたぶん全員クリスチャンなので、マニプール出身の先生んとこに集まってservice(お勤め、式)があるようです。

クリスマスも含めたまにこういった会にも呼ばれるのだけど、なぜかクリスチャンの集まりだと尻込みしてしまう私。

いつも自分は無宗教ですと言っているけれど、心のどこかで多神教(八百万の神様…)を信じているからなのかなぁと最近思います。


さて今日は夜ご飯何にしようと夕方Chinnalapattiまで行ってきました。

よく行くCeylon Bakeryにはキリストの絵がかけてあるのでオーナーがクリスチャンなんだろうな。クリスチャンの祝日だから今日はお休みだろうと思っていたけど、行ったら開いてる。携帯電話のプリペイドチャージ(をベーカリーでやってんだけど笑)担当のおじさんはいないけど、ベーカリー部門は通常営業って感じ。

働いている子に「今日休みじゃないのー?」と言ったら「違うのよ。言ってやってよ」とおじさんの息子(たぶん。同じ顔だから)に目配せ。

そこで息子氏に私から「何で今日休みじゃないんですかー」と言うと「でも休んでたらあなた買い物できないでしょ」と返される。

「休みだと思ってでもチェックしにきたのよ笑!」

おじさんの方は今日どっかでお祈りの式があるとかでちゃっかり休んだらしい。

働いてるオンナノコとオトコノコもてっきりクリスチャンなのだと思ってたけど、そうではないんだって。じゃぁ休みじゃなくても文句言うな笑


で、そういえばこのお店って「Ceylon」ベーカリーじゃんね、と思う。

Ceylonというのは「セイロン紅茶」と言われるように、スリランカの旧名です。

スリランカ政府に対するバッシングがタミルナドゥ中で盛り上がりすぎちゃってる中、ここも被害受けたりするんじゃないかと思ってたけど、そんなことはぜーんぜんなさそうな感じ。

Dindigulの本店は被害受けてたりして。

…そんなことない気がする笑

まさか地元の人はセイロン=スリランカだって知らないわけ?


と、私が言うのにはきちんと理由があるわけです。


反スリランカ政府運動がはじまってから、スリランカと名のつくものはやたらと襲われているんですよ。


たぶん最初に襲われたのはChennaiのBank of Ceylonだと思う。マスクをした12人が押し入り、銀行員を襲い銀行をメチャメチャにしたんです。

あとSri Lankan Airlinesのオフィスに石を投げつけたヤツもいました。


まぁここまでは、よく中国でも日本企業を襲うってことがあるので、ありがちだなぁと思っていたのだけど、次第に変な方向にエスカレートしていったわけです。


スリランカのシンハラ人たちには仏教徒が多いので当然お坊さんもいるんですが。Thanjavurを訪れていたそんなお坊さんが例の寺院で地元タミル人に襲われるという事件もありました。

そのあとすぐにまたChennaiで仏僧が電車の駅で襲われています


最近新しいカトリック教皇がアルゼンチンの内戦時代に殺戮を見てみぬフリしたなんて話も出てきたけど、かといって教皇が人を惨殺していたわけではないだろうし、このお坊さんたちだって進んでタミルの人たちを殺していたということはないと思うのです…


そしてもうなんかメチャクチャじゃんかと思われる事件が。


タミルナドゥの中に海岸エリアを切り取って別の特別行政区にしているPondicherryというところ(もともとフランス領でその影響が今も残りおいしいワインやフランス・インドフュージョン料理が食べられるという夢のような場所)があります。

ここにあるSri Aurobindo Ashramashramというのはヒンドゥ教の教えだったりヨガのレッスンをしたりするような場所)も最近50人のタミル人がやってきて施設を襲いました

で。Sri Aurobindoというここの創設者がシンハラ人でしたというならまぁなんとなくわかるのですが、Aurobindoは西ベンガル出身。

はい?

でも、ここが襲われたのは彼が西ベンガル出身だったからなんです。

じゃぁスリランカと関係ないじゃんと思うのですが。実は。

西ベンガルの州知事Mamata Banerjeeが国連人権理事会の決議(スリランカ政府の内戦時のタミル人に対する行いを非難するもの)に反対していたから、なのです。

…やっぱ関係ないじゃん!

これってつまり。日本政府がこの決議にちょっとでもイチャモンをつけようなら私がそこらへんでボコボコにされるというようなものなのです。恐ろしい。。。

(そういえば西ベンガル出身のクラスメイトNは無事だろうか笑)


そして、政治と切り離されるべきだと私が常日頃考えているスポーツ界にも影響が。


インドの国技ではないにしろものすごく人気があるクリケット。

インディアンプレミアリーグ(IPL)というのがプロクリケットリーグで、インド国内だけではなくて、クリケット選手が多い旧英国領の国から多くのプレイヤーが集まっています。

例によってタミル人の気持ちをくみとってますよと主張したいわがタミルナドゥ州の州知事Jayalalithaaは「スリランカの選手はうちの州でプレイしないでほしいわ」とIPLに言い出す。

でIPLもそれを聞き入れちゃって、Chennaiでの試合にはスリランカ選手は出ないことになったのです。スリランカの選手が襲われないようなセキュリティ体制が整えられないというのが理由らしいけれど。

アホか。こういうときだからこそ、スポーツではフェアに、気持ちよく、タミル選手もシンハラ選手もプレイさせるべきじゃないの???

けどねー。。。パキスタンの選手もしょっちゅうインドに来るなと言われるんですよね。クリケットは人気がある分政治が介入しやすいんだろうか。

にしても、シドニーオリンピックで北朝鮮と韓国が一緒に入場したことにエラく感動した自分としては、パレスチナとユダヤの子どもがサッカーを通じて交流しているなんてことにものすごく感銘を受ける自分としては、なんでインド人はこういうことができないんだと思うのです。


そして、もうはたメーワクとしか考えられないようなことも起こっています。


まぁ、以前から言ってることですが、タミルナドゥ州政府はタミル人が多い北スリランカを独立させろと言っています。

これはつまり、規模は違うけど、中国が横浜のチャイナタウンを独立させろというようなものです。

スリランカのことは、同じ民族であれ、他の国がとやかく言うことではないし、スリランカタミルがそうしたいのであればそれが実現するようにサポートを国際レベルで(国連とかね)することが必要だと思うのです。

まぁ、タミルナドゥ州政府にとっては「だってインド中央政府はタミルの気持ちわかってくれないんだもん!」ってところでしょうが、ウダウダ言う前に何もしてないスリランカ人の安全確保をしなさいよ。


で、今日の新聞で読んだけど、このゴタゴタでスリランカ出身のタミル人だってメーワクこうむってるのです。


最近の混乱で、スリランカから留学している生徒たちが物件を借りられないということが起きています。スリランカ人だと言うと、通常の書類の他に警察に行っていろいろ手続きがあるとかで、大家がめんどくさがって貸さないとつっぱねてしまうんだそうです。

これがシンハラ人だけだったらまぁ、ねぇ、こんなご時勢だから、と思うけどこれはタミル系スリランカ人にも当てはまることなのです。

というのも、Rajiv Gandhi(スリランカ内戦時にIndian Peace Keeping Forceを送り、結果タミル系スリランカ人と戦わせるハメになった)の暗殺(タミル組織LTTEによると言われている)からずーーーーっと、タミル系スリランカ人には警察の厳しい目がついて回っているわけで。

今回の反スリランカ政府デモに至っては、「タミルナドゥにきている難民の人たちはデモで先導きってるんだろう」なんて思うけど、実際には「スリランカの生徒はデモに参加しないように」と大学からきびしく言われて、寮で待機もしくはヒドい生活環境の「難民キャンプ」に帰っているそうなのです。


つまり、タミルタミルと言っているけど、本当に運動を起こしているのはスリランカの、本当にツラい思いをしたタミル人ではなくて、タミルナドゥで育って、最近になって「お隣の国でこういうことがありました、許せません」とわかってしまったインド人なんですよね。


結局誰のための運動なの?と思う。




0 件のコメント:

コメントを投稿