2013年3月2日土曜日

Lakh, Crore, 予算!

こんにちワン。


めがね

昨日のThe Hinduの一面、のイラスト。

このめがね、このちょっと前屈したような感じで歩く人。


そのかばんに予算案が入っているのかい

Chidambaram財務相(大臣?)です。

おととい、デリーで来年度の中央政府予算案がChidamrabamによって
議会に提出されました。

次の日(昨日)の新聞は22ページ中11ページが予算案の分析にあてられ
それに続く社説や地域欄も予算の話ばかり。

たいていどれも「どこそこのことを考えていない」という
非難の声が多いのだけれど、
経済学者なんかは「バランスとれてるね」などと
ほめたりしているので
悪くない予算なのではないでしょうか。

去年は新聞読んだり読まなかったりで気がつかなかったけど
予算案に国中が注目している、というか
予算案をフツーの人たちも気にしている、というのは
日本ではないことだよなぁって思います。

数日前のIndian Railwaysの予算案が出たときも新聞はその話ばかりでした。
IRは国が運営するインド列車の会社で
そのネットワークは世界一、
確か雇用している人員数も世界一だった気が。

電車は短距離から長距離まで、
お金のない人から中間層、お金のある人まで、
みーんなが使うインドのメイン交通機関。

だから国中がIRの予算や
それにともなうサービス向上、運賃値上げ等に興味を持つのはわかる。

でも国の予算まできちんと見ているなんて、ね。

荷物運びをするporter/coolieの人たちが
デリーの駅のでっかい画面で
大臣が予算の話をしているのを熱心に見ている
そんな写真も新聞に出ていました。

日本で政府の予算案に目を通した記憶がない私。。。
はずかししいことですよね。


まぁいくつか思ったことを書きとめておきたいと思います。


まず、収入が1億ルピーを超える人たちだけ
10パーセント追加で税金を払うというもの。

日本やアメリカでもよく富裕層からもっと税金を回収しろと
よく言われますが、なかなか実施が難しいことだと思うんです。

富裕層から反対されるし、
富裕層は政治家とつながってるし、
なかなか実現は難しい。

それをしれっとやろうとしているインド。

で、これが、もともとお金のある人からの提案だったというのが
Pleasantな驚き。

Azim PremjiはWiproというITからエンジニアと幅広くやってる会社の会長さん。
ちと前までインドで一番のお金持ちだった人です。
(インドで一番のお金持ちはマハラジャじゃないですよ!)

慈善事業家としての彼の活動について学んでいたので
インドでもビル・ゲイツのように
社会に貢献しているビジネスマンがいるのはすばらしいことだと
常に思っていたのですが、
この10%プラスの話はPremjiさんの提案だったとのこと。

Premjiさん、やりますね!
そしてそれを予算にきちんと組み入れたChidambaramもエラい!


とは思うのですが。

新聞をあちこち読んでいて感じたのが
バッシングが大臣に向けられているということ。

もちろん、責任者は彼だと思うのだけどね。

まさか、彼がぜーんぶ予算を書いているわけではないでしょう。

財務省職員がおそらく毎日徹夜でこつこつと仕事をして
(ってなことはインド公務員ではありえないか…)
お金をたくさん払って経済学者にもアドバイスをもらって
それで作ってる予算でしょう。

それなのに「大臣は自分たちのことを助けてくれない」と
言うのはなんか変じゃないですか、ね?

まぁ、いいけど。


お金持ちだけじゃなくて、庶民の私たちにも関わることが
予算案にも多く盛り込まれています。

税金の変化等で値上げが見込まれるもの:
2,000ルピー以上の携帯電話
SUV
40,000ルピー以上の外車
800cc以上の輸入バイク
輸入ヨット
たばこ
エアコンつきのレストランで食事
500万ルピー以上の不動産
1000万ルピー以上、2,000平方フィート以上の家
大理石
輸入絹
駐車料金

安くなると思われるもの:
ブランド既製服
宝石
輸入ヘーゼルナッツとオーツ麦
タピオカ
輸入トラック

うぅむ。

大理石も宝石も関係ないけど、エアコンレストランの件は気になります笑
たま~に、行くので。。。

インドではエアコンのついているレストランでは
エアコン席とそうじゃない席と別になっていて
エアコン席はメニューが別です。

食事内容が別なんじゃなくて、値段が高いってことね。

エアコンは電気(=資源)をくってるので、
その分顧客にもっと払わせようということなんですね。

エラい!

とは思うけど、A/C席は今後控えようかなとも思います。。。苦笑

さっき庶民に関わると書いたけれど、こうやって並べてみると
やっぱり中間層から富裕層のほうが打撃を受けるような気がしています。



タミルナドゥ関連ではKudankulam原発周辺の開発に
15億ルピーの支出。

日本の地震のあとから核反対運動が起こっていて
なかなか稼動がはじまらないKudankulam。

今住民が格放棄と叫んでいるのは
もちろん安全面に憂慮してということなのだけれど、
政府は「開発」と銘打ってお金をばらまき、
人びとをひっくるめて黙らせようということなのでしょうか。

その一方で80億ルピーが
風力発電関連に使われるようです。

核なんてやめて、風力とか水力とかもっと開発すればいいのにね。。。


100億ルピーを資本に女性のための銀行を設立。

インド農村部では女性が銀行でお金を借りるというのはまだ難しい話で
そんなわけで自助努力グループ(Self Help Group, SHG)を作って
グループでお金を借り入れるということがずぅっと行われています。

SHGとこうしたローン(いわゆるマイクロクレジットですね)のおかげで
女性が銀行に行くという機会が増え
女性がこうした資金を元にプチビジネスをはじめる
なーんてこともあるのだけど。

まだまだ銀行に行くぞという女性が個人では多くないというのが実情なわけで。

男性銀行員と話がうまくできなかったり
銀行でハラスメントを受けたりと、
女性は銀行でもトラブルにあっているのです。

そんなこんなで政府が「じゃぁ女性の銀行作っちゃおう」
というわけですね。

まぁ悪くない話なんだけど、
根本的な問題(今ある銀行の女性への態度や考え方)は
どーでもいいんか、と思ってしまいます。


全体的に、インド政府がさまざまな分野で
どのくらいお金を使おうとしているかというと

農業関連 18,781 crores
産業関連 48,010 crores
経済サービス関連(?) 31.602 crores
農村部開発 56,438 crores
交通関連 1,33,488 crores
福祉・社会サービス 1,93,042 crores
灌漑・防洪水関連 1,200 crores
通信関連 12,380 crores
その他サービス 9,307 crores
発電 1,58,287 crores
化学、テクノロジー、環境関連 17,587 crores
合計 6,80,123 crores

なんのこっちゃ!

と、思う人もいるでしょう。

はじめにインドに足を踏み入れてからずーっとやっかいだなと思っている、
インドのお金(や数字)の数え方。

2年近く住んでいてもまだぱっと頭が切り替えられない。

上記「1000万ルピー」なんてのは
今数えて私が書き直しているものなんですね。

もともと数字は苦手な私は
アメリカで勉強していたときに「Million, Billion, Trillion...」が
なかなか頭に入らなくって、苦労したんですよ。

それがどーにかこーにか5年でしっくりくるようになったのに
今度はインド式。。。


ということで、インドに来る人は知っておいたほうがいい、
インド数え方。


インドや南インドの各地では、
日本で「百、千、万…」が使われるように
Lakh, Crore,...」が使われます。

1 lakh というのは 10万のことです
英語では One hundred thousand。

1 crore というのは 100 lakhs もしくは 1000万のこと
英語では  10 million。

ここからがなんか厄介なんですー。

100 crores は 1 arab
100 arabs は 1 kharab
と上にまだまだたくさん単位があるのだけれど、

なぜかインドではCrore以上にお目にかかりません

だから100 crores は 1 arab じゃなくて 100 croresって言うんですね。

それと、表記の仕方。

英語表記では

One 1
Ten 10
 One hundred 100
 One  thousand  1,000
 Ten thousand 10,000 
One hundred thousand 100,000
One million 1,000,000
 Ten million 10,000,000

って書くじゃないですか。

それがインドでは

One 1
Ten 10
 One hundred 100
 One  thousand  1,000
 Ten thousand 10,000
One lakh 1,00,000

Ten lakhs 10,00,000 
One crore 1,00,00,000 

になるんですよ。

そのコンマ何?みたいな。。。

まぁ、インド式に読むならこちらの方がわかりやすいのだけど。。。


そんなこんなで組み合わせると
One lakh crore なんて言い方も出てくるんです。

Crore(1000万)× Lakh(10万) = 1兆
もしくは One trillion (1,000,000,000,000)

なんですが、表記は

10,00,00,00,00,000

となりますね。。。

あぁ、ややこしい。


で、さっきの予算の話に戻ると、
全体の支出が 6,80,123 crore rupeesとあり
これは6 lakh 80 thousand 123 crore rupeesですよね。
おおよそ6.8 lakh crores、6兆8000億ルピーになります。

これは今日のレートでおおよそ11兆600億円
123 billion US dollarsもしくは1230億USドル。


…なんか、合ってるのかわかんなくなってきた。。。

ひとけたふたけた間違ってたら大変だけど、
財務管理専攻とはいえ文系なんで苦笑

この数え方はお金だけではなくって普通にものを数えるのにも使われるので
 1 lakh people とか言われると、
うーん、あぁ、10万人ね。。。と多少私にはタイムラグが生じます。。。

おそらくlakhやcroreはアラビア語とかヒンディ語が元になっている単語なので
タミルの人の中には(タミル語ではないから)
英語だと思っている人がいるのです。

経済の国際化のど真ん中にいるようなインドで
若い学生たちがまだlakh croreと言っていていいものか、と
たまに思うのですが。


さて。

この予算案について思うことが多々あったのだけど
容量オーバーなので今日はここまで。


ちなみに、財務相はタミルナドゥの出身なんだってさー




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