2012年4月2日月曜日

Uncountable Unforgettables (2) 真夜中の屈伸

こんばんワニ。




前回の続き…


の話をする前に断っておきたいのですが。


これから書くことは、南インドのとある村で行われたヒンドゥ教のお祭りの様子を主観的に書いているものです。客観的に書くべきなのだけど、やっぱりこれはちょっと自分には…と思うことがあったので、あえて自分の感じたことをそのまま書きます。私は、このお祭りや彼らの文化を否定するつもりは全くありません。伝統を守ってきた彼らをすごいと思うし、これからも続いていくといいなと思う。日本の人たちに豊かな南インドの文化を知ってもらいたいと思う。でも、もう私はこのお祭りには行かないだろうなと思うのです。




 ■  ■  ■  ■  ■  


金曜日夕方、寮を出発してMaduraiへ。私が日ごろお世話になっている(というか入り浸っている)Veelinayakenpattiのファミリーと落ち合う。



Madurai在住の親戚の家でDosaiをごちそうに。Dosaiというのは米ベースの生地をうすく焼いたクレープのようなもので、チャツネやサンバル(汁状のカレー)と一緒に食べます。カリカリした生地が最高においしい。寮ではDosaiを分厚く焼いたUttapamしか出ないので、ひさしぶりのDosaiに感動。親戚の15歳には見えないちーっこい男の子に出会う。英語が話せて利口な感じの子。


私はてっきりMaduraiに泊まって土曜の朝に行くのだと思っていたけど、お祭りは深夜に始まっちゃうとのことで、夜中に出発と告げられる。飲料水を5リットル買い込み、出発。


23時前、3人シート3列の小さいワゴンで出発。人でもいっぱいなのにこまこまとモノがあるのでぎゅうぎゅう。。。A/Cなんてものはついてないので車内につけられたおもちゃのような扇風機を回してみる。高速に入り、ようやく涼しい風が入るので扇風機もストップ。


うとうとと眠りかけるのだけど、そのたびに話しかけるので結局眠らず。そのうち高速をそれてなーんにもない、真っ暗な道をすすみはじめる。ボコボコの道、小さな村を通ってずんずん進む。そのうち行き止まりに。。。


(暑いから)外にベッドを出して寝ているおっちゃんに道をたずねると、どうやら村内で曲がるところを間違えたらしい。ということでUターンをしようとするが、バックしたところで車が深み(?)にはまり、抜け出せなくなる。Rがエンジン踏み込む。けど車はさらにバックして、ガリガリと植物か何かがひっかかる音。なぜか10年前の今ごろやっていたであろう教習所で半クラッチの練習を思い出す。そのうち、寝ていたおっちゃんたちが来てうしろからよいしょと押してくれたので(たぶん)車もBack on track。


舗装がマシな道になり、またうとうとしはじめると、「ほら!見て!」と話しかけられる。外を見ると、ハデに花火が上がっている。「この村だよ」とのこと。真夜中12時過ぎ。



 ■  ■  ■  ■  ■  




やけに明るい村に到着(あとでこのお祭りのために発電機をフル稼働で使っているらしいことが判明)。派手なネオンの飾り。真夜中だというのにみんな家の外に座って話している。










車を降り、Veelinayakenpattiファミリーのお父さんのお姉さんのおうちに通される。「お茶はいかが?」「今水浴びしたい?」「顔を洗う?」と言われたので、お茶を飲んで顔を洗って、早朝のお祭りにそなえて寝る…かと思ったら、「お寺を見たい?」と聞かれる。すっかり目も覚めてしまったので(まゆ毛洗い流しちゃったけど)、「うん、写真撮りたい」と答える。


お寺の写真だけ撮ろうと思って着いていくと、なんとお祭りが始まっている。。花火は開始の合図だったのね…。



お寺に奉納するサンダルウッドとジャスミンの花で作られた「顔」を頭にのせて運ぶ祭司。白い粉を身にまとっている人。

この顔を撮った写真もあったんだけど、おそらく撮ってはいけないものだと思うのであえておっちゃんの腕で隠れて見えない写真を紹介。。。



以前にも紹介したように、お祭りの際に着る服の色にもいろいろな意味合いがあり、このお祭りの場合は(見づらいけど)写真のようなあざやかな黄色を着る男性女性を多々いました。

で、おもしろかったのが、1枚目の写真で祭司を隠しちゃってるおっちゃんと、この写真の中央に写っている女性二人。みんな腕をのばして屈伸状態。このままふらふら~と動くダンス、これも神様にささげるもの、らしい。

これまた見づらいけど、この写真の中央付近の、お寺の壁に描かれたモチーフ、この人も両腕をあげてる。おもしろい(ダンスの意味は聞くの忘れた)。

以前にも村の小さいお寺のお祭りで、何かが「おりてきた」ようにトランス状態の人を見かけたけど、この日もダンスをする人の中には(特に女性)意識があるんだろうかと心配してしまうような感じの人がぽつぽつ。






祭司と「顔」、巡礼者はお寺の周囲を3回めぐり、写真の堂内(っていうの?)に顔が運び込まれた…らしい。人が多くて実際に運ばれるところは見えなかった。


このあと、人気(ひとけ)が少し引くのを待ってnon believerの私もファミリーに連れられてお寺の中へ。祭司がもっと近くに寄って見なさいと促すので、(お寺の中には普通手すりのようなものがあってお祈りをする人は順番に待つんだけど)その中にも入れてもらって神様を拝ませてもらう。神様のいるお部屋にはさすがに入らなかったけど。かわいらしい(?)「顔」をまじまじと見せてもらって、ファミリーのSに説明を受ける。



 ■  ■  ■  ■  ■  



これは、タミルナドゥ州Virudhunagar地区SrivilliputhurのAchankulam (Atchankulam)という村です。


Virudhunagarの紹介ページには


毎年タミル暦のPanguniの間にはPanguni Pongalのお祭りが行われ、何百、何千もの参拝者がファイヤーポットを持ちより、Mariamman神を崇拝する。
とある。Panguniってのは4月くらいのタミル月らしい。


Mariamman神というのは南インド特に農村部でポピュラーなヒンドゥの女神様で、人びとを病気から守り、雨をもたらす。もともとは特定の場所や木、石に結びつけられた土着の神様だったとも言われている。


詩人の奥さんだったのだけど天然痘にかかり、家々をまわり食べものを乞うようになった。ニームやマルゴーサの葉っぱで化膿した皮膚からハエをはらっていたが、やがて天然痘から回復し、人びとは彼女を崇めるようになる。彼女に習い、ニームの葉っぱを軒先につるし、天然痘から家族を守るよう祈ったそう。


という説があれば、


美しいNagavaliという女性があるとき神様の怒りをかって天然痘にかかり、ダンナからも「病気をもたらす悪魔だ」と見放されてmari(変わってしまった)と呼ばれるように。


という説があれば、


Mariammanはドラヴィダ族の伝統的な女神で、アーリアン族がブラーミンの教えと共にインドにやってくる前から崇められていた。南カルナータカの山間の民族には人を生贄としてささげるものもあった。その後この生贄のしきたりは動物の生贄に変わり、村によってはこうした儀式をしなくなったところもある。


などなど、この神様にまつわる話はいろいろあるよう。


私が説明を受けたのは、この神様とよく結びつけられるのがニームの葉っぱとレモン、ということ。お寺の中の神様のトリアイナ(三叉)の先にはレモンがつきささってた。



 ■  ■  ■  ■  ■  


ともかく、これでお祭りがスタート。日曜まで続くものだったようだけど、私が参加したのは土曜の夕方まで。



次回に続く。








0 件のコメント:

コメントを投稿