2013年1月9日水曜日

Unexpected, Extended...Day 1 グルガオンのスピードブレーカー

羽田空港にて

こんばんワニ。


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グルガオンのフェーズ4ハミルトンコート近くの混雑した通りで、ナンディ、ゴーマータ、それに幼いカフカは道の真ん中を歩いていたときのことである。突然、車やバイクがキキーッと大きな音を出して彼らの近くで急停止した。レースドライバーのような鋭いカーブでやっとこさ彼らを避けた人もいた。あやうく命を落とすところだった彼らは、尻尾をばたばた振って、モーモーと、運転手に抗議した。周りを見回して、他の2匹が無事か確認。お互い恐怖に震えているけれどケガもしなかったことに安心して安堵のため息を漏らした。カフカはしゃっくりまじりで泣きながら言った。「毎日こんなとこ通るのは怖いよ。なんで私たちの飼い主は車のない、別の方向に行かないのかしら。」 
ゴーマータはカフカを脇に呼んで答えた。「カフカ、心配しないで。ゆっくり渡ればいいのよ。」そうして通りを渡ろうとしたとき、突然ナンディが叫ぶ。「気をつけろ!左から車が来るぞ!」キキーッとブレーキの音、そしてドライバーが叫んだ。「このウシめ、俺たちを通りで殺すより野原に行って住んだらどうなんだ!」
「だけど、だけど…」ゴーマータは言った。「あなたのせいじゃない!あなたが反対方向に走ってるからいけないのよ。ここ一方通行なの知らないの?」 
「ふんっ!グルガオンで一方通行を気にするヤツがいるか?俺は自分の走りたい方向に走るさ。どうせ警察もここにはいないんだ。それにな、教えてやるけど、警察が来たところでヤツらも渋滞に捕まっちまうんだ。ハハハ。」無礼なドライバーはクラクションを鳴らして走り去った。 
ブレーキとタイヤの止まる大きな音におびえるカフカは怖くなってしまって、それ以上1インチだって動けない。ナンディとゴーマータがどんなになだめてもダメだった。カフカは道の真ん中に座って言った。「パパ、ママ、私ここでストをするわ。こんなのもう耐えられないわよ。私たちのこと気にする人なんかいないし、飼い主は私たちをこんなところに置き去りにして私たちがどうにか帰ってくるのを当たり前のようにしているし、誰も警察に苦情を出さないのよ。」ナンディとゴーマータもこれに続いて座り込みストに入った。結果、大渋滞を引き起こすことになった。 
すぐに政府代表の役人がやってきて「ウシの異端集会」(頭にきた通行人が彼らをそう呼んだのだ)と交渉に入る。カフカと家族には多くの不満があるので、要求が受け入れられない限り役人など目に入らないといった様子だ。役人もPETA[People for the Ethical Treatment of Animals: 動物の倫理的扱いを求める人の会]が怖いので逃げ道がない。カフカはリーダーとして要求を口達者に伝えた。 
「私たちは『神聖』だとされているけれど、僕たちに大事にしようって人はいないの。私たちの飼い主がこんな恐ろしい位置を毎日歩かせるから、バイクドライバーや僕たちに危険を生み出しているのよ。」 
「政府にウシゾーンの創設を求める。そこで私たちは恐怖におののくことなく道を渡ることができるの。」 
「マジメな交通整理警察官の配備を求める。通りの脇で耳に携帯電話がくっついたように話しているような人じゃなくてね。」 
「きれいで清潔な環境を求める。最近セクター29のマックで家族と夕飯をとったんだけど、店から出てきたときの異臭ったらなかったわ。振り返ってみると、汚水がたまったところでブタが転げまわってたの。ウエッ!そのくせあなたたちは私たちを汚いウシだなんて呼ぶんだもの。」 
言い終わったところでカフカは深いため息をついた。「私たちの要求が受け入れられて私たちは動かないわ。」白熱した議論のあと、役人はウシの要求を飲むことにした。ウシたちは整然と、ゆっくり列になって道を明け渡した。ナンディとゴーマータはカフカをぽんと叩いて、誇らしげに言った。「君は本当に革命を起こしたようだね。僕らのhartal[ストライクなどで店やオフィスが閉まるころ]が成功だったかどうかは時のみぞ知ると言ったところかな。役人はずる賢いんだ。だからいつでもandolan[ヒンダスタン音楽でのビブラート]ができるよう準備しておこう。」カフカはうれしそうに笑って、両親のあとについてモーモーと歌った。 
私たちはグルガオンのスピードブレーカー
急いで運転したら危険よ
私たちはまた通りに来てチェックするわ
裏切ったらまた困らせるわよ


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はい。これは大学院となーんにも関係ない、The Hinduに掲載されていたお話(?)です。今日新聞を整理してたらクリッピングが出てきて、あぁここに訳を書こうと思っていたのを思い出したわけです。

グルガオンにはもちろん行ったことないですけど、「こういうの、わかる~!」と思ってね。

インドのドライバーのマナーのなさは世界でも指折りかと思いますが、他の国より動物出現率が高そうなので(都市部でもね)、余計にやっかいです。でもそれは動物のせいじゃないんだよね。この3匹のように飼い主がほったらかしにしていることもあるだろうし、もともと道路のあったところに動物は住んでいたのかもしれないのだから。



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さて。昨日の騒ぎで計画外の休日に入り1日目が終了しました。

なーーーーーーーーーーーんもしなかった。

映画のファイルをもらってきて観ています。

友人の結婚式でいただいたお茶漬けがものすごーくおいしかった。

そんなところでしょうか。

明日は何しよう。



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