2012年12月16日日曜日

My Master's Thesis (3) 水と土の保全って

こんにちワン。


今、ケララとの州境のTheni県というところに来ています。

私が住んでいるのはDindigulに行政オフィスをかまえたDindigul県。このDindigulは南側でMadurai県(東側)とTheni県に接していて、このTheniはタミルナドゥ州の西側の州境に面しているわけですね、って言ってもわかんないと思うのでこのへん参照してください。

友人には何人かここの出身の子がいるけれど、この滞在の理由はもちろん彼女たちに会いに来ているわけではなくて、論文のデータ集めでございます。

最後のNGO訪問はここTheni県で活動しているVIDIYALという団体。流水域開発のプロジェクトはひと段落して、今は農民や女性たちに市場の情報や家畜の飼育についての情報を携帯電話のSMSとヴォイスメッセージで送るなんて画期的なことをしているNGOです。

団体を統括してる人が「土日なら時間がとれるから」とヨガのテストを受けずに(実はこの金土日テストだったんですよね~…いい加減このクラスバカバカしくなってきたのでもう土日のテストは受けないことにしました。)ここに来たのだけど、やっぱり彼が忙しくて昨日はお客様の訪問の前にお話をさせてもらい、今日はマドゥライでお仕事があるというのにその移動の前に私のホテルに来てもらって、なんとかデータ収集をしました。

昨日はまたバスの時間がよくわからなかったので4時起き5時出発。

というのも、学科の教授がいろんなスタッフに聞き回って「5時半に大学からバスにのってSempattiに行き、そこからTheniのBodi行きに乗り換えなさい」と言ったから。朝早いし荷物もあるからバス停まではAutoで行くにしても、ドライバーが遅れる可能性もあるのでちと早め5時出発でいいかなと思ったのです。BodiというのはTheni県の町で、ここからまたバスに乗って15キロのところにNGOのオフィスはあります。

なんだけど…。

前日ChinnalapattiのCeylon Bakeryで「Bodi行きのバスってここも通るんですかね」と言ったら「5時半に通るよ、たぶん」と言われ、Chinnalapattiに5時半に行けばいいかと思ったら

Autoドライバーは「こんな時間にChinnalapattiにバスは来ないよ。DindigulからたくさんTheni方面のバス出てるからそっちから行きなさい」と言われChinnalapattiからDindigul行きに乗ろうかと思ったら

Chinnalapattiでおっちゃんと話したドライバーが「Sempatti行きのバスがすぐ来るからSempattiまで行ってBodi行きに乗り換えなさい」と言ってきたので

えぇ、結局当初のプラン?と思いつつ5時半のバスでSempattiへ。

Sempattiには6時過ぎくらいについちゃったのだけど、Bodi行きがなーんと6時50分まで来なかった…。スナック売りのお兄ちゃんには「5分で来る」と言われ、Sempattiバス停のおっちゃんには「Six fifXXX」と言われ、Six fifTEENであってほしかったけど案の定Six fifTYだったのです泣。寒くって、鳥肌立ちっぱなしで待つのは辛かった。。。

まぁ、ともかく、

大学→Chinnalapatti→Sempatti→Bodi→Rashigapuram→オフィスという4時間半くらいの旅を終え、なんとかVIDIYALにたどりついたわけです。

ディレクターとはなかなか時間がとれなかったけど、午後は現場に連れて行ってもらいました。

この山の向こうはケララだよ」と言われ、山の頂上に立った5つの風力発電風車をへぇ~と眺めつつ、今日も草むらをかきわけ、坂道をサンダルで昇り降りしつつ、いろんな建造物を見せてもらいました。

帰り。スタッフ氏がBodiにお住まいということで「ティーだけちょっと」とおうちに招かれました。「今息子が働き出したばっかりで、収入は私ひとりが稼いでいるようなもの。家もちっちゃくて」と彼は言うのだけど、私はしょっちゅう村に行っているので、彼のおうちは立派だし、親戚も近くに住んでて安心だなって思ってしまいました。

案の定「ティーだけちょっと」で済むわけがなく、親戚のおうちに行き、2杯目のティーをスタッフ氏のおうちでいただき、スナックを食べ、近所のガキと話をし、停電のジョークをかまし、あぁあぁこんな時間になっちゃったよと思いつつ、今日(日曜)お魚料理するからランチを食べに来てというのを丁重にお断りし、Theniの中心であるTheni(市?町?)のホテルについたのは日もどっぷり暮れたころでした。

でもこういう予想だにしなかった出会いがあるのは本当にありがたいことです。

いやでも最近、どこのNGOに行っても博士号過程だと思われる。修士号ですと言うとビックリされる。どんなに活動的にいろんな場所にやっぱ年(見た目)には勝てないのね~。残念。


死体を隠すところではないです

と、ここからが本題なんだけどホテルでぐーたらしてないで今日はまたNilakottaiに行くので(さっき最後のNGO訪問って書いたけどもう一度CIRHEPに行くのです)ぱぱっとまとめます。

水と土の保全をどーやるかということ。

この間書いたのはチェックダム。

この写真はWATというもの。Water Absorption Trenchの略です。ただ穴を掘ってるだけ。

すくなーい降水量であるにも関わらず短期間でばばっと降ってしまう、それが干ばつ地帯によくある「雨季」(というほど降らないけど)の天気のパターン。この前も書いたけど、こういった激しい雨が降ると、雨水が栄養分のある表土を流して、どんどん丘を下り、谷まで達してしまう。丘に近いところは水も、表土も失ってしまう。

流水域開発でチェックダムやらWATやらを作るのはこの水と土を土地に残して豊かな土地を作り上げる(もしくは取り戻す)というのが目的。

このWATは、とってもシンプルな作りだけど、もし雨水がどばーっと降ってきてもこの中に水をためることができる。その際に流れてくる表土もここに残せる。あふれた水や土は下流部に流れていく。

水と表土がこの中にたまるから、この穴の中だけ青々とした草がはえているってことがあります。それが数年すると、穴の周辺にも変化が現れるんです。

この、たまった雨水は地下に浸透していって、地下水となる。そうすると、カラッカラだった土地にも地下水が戻ってくるんですね。

こうした建造物を作ることで、たとえば6~8年前には500フィート(152メートル)掘らないと水が出なかったのに、今は250フィート(76メートル)地点に地下水がある、というような変化が現れるわけ。すごいでしょ?

水がなかったらどんどん土地を掘って、ふかーいところにある水を搾取する。そうじゃなくて降ってくる水を土地に残そう、流れちゃう表土を土地に残そう、それが流水域の水土保全のキホン、なんですね。(と、私は思っている笑)



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