2012年12月9日日曜日

My Master's Thesis (1) 私と流水域開発

こんばんワニ。


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うちの寮の1階には、うちの大学で働いている人たちなどの子どもを預かる保育所があります。

いつもぶつくさ書いてますが私は子どもが苦手なので、よりによって保育所のある場所に住んでるなんてといつもしょげています。

で、これもいつも書いていることですが、子どもが苦手なのは子どものせいじゃなくて彼らの両親がきちんとしつけない→ギャーギャーわめく→私げんなり、という構図なので、子どもは敵と思ってませんよ。これがわかってきた最近はね。

最近気になることがあります。

今月はクラスがないので平日保育所があいてる時間にも部屋にいることがよくあります。子どもたちは家族にバイクやオート、車で送ってきてもらうのですが。

ここに到着した瞬間に泣き出す子どもが、めちゃくちゃ多いんです。

エンジンが止まる。「…わぁぁっぁぁっぁああああああああああああああああん」

これって、普通なんでしょうか。保育所に勤めている友人に一度聞かなくちゃと思っています。

保育所についたとたんに泣くってことは、もちろんお父さんやお母さんと離れるのがいやってのもあると思うんだけど、保育所がイヤってこともあるんじゃないでしょうか。すぐに保母さんが出てきてよしよし、となだめるんですけどね。毎日ついたら泣く場所に毎日連れて行かれる子どもは、どう感じるんだろうと思います。

あと、保育所の営業時間(?)中も泣いてる子がたくさんいます。なんでかはわからないけど、ぎゃぁぎゃぁ泣いてるのに保母さんたち何やってんだろうと思っちゃう。これも普通なの?


こんな感じで調査してますよ

さて。私の修士論文についてです。

いろいろ書きたいことはあるのですが、時間がなかなかないので少しずつお話しようと思います。

ずばりテーマは「流水域開発のガイドライン・マニュアルの効果について」です。

さっぱりわかんないですよね笑

ということでまずは流水域開発から。ものすごくシンプルに説明します。


流水域を説明するのによく比較される葉っぱ

この1枚の葉っぱを山から谷を含んだ土地と考えてください。

緑のラインが山のライン。このラインに囲まれたエリアを流水域といいます。雨が降ったら水がこのラインの内側に流れていきます。この緑のラインの外降る雨はこの流水域の外に流れていく。だから流水域の区域わけは水の流れで決まってきます。

黒い矢印が示すように、水はオレンジと青のラインを伝って谷に流れ込みます。オレンジのラインは細くて小さい水の流れ道。青のラインはメインのラインで、オレンジラインの水が流れ込みます。

この水が最終的にたどり着くのが赤い丸で囲まれたポイント。場所によって、この赤丸ポイントで大きな川だったり池に水が流れていきます。


流水域開発、というのは、この流水域エリアの開発をすること。内容は大きく分けて二つあって、一つはこの流水域の土地や水の流れ道を整備して水と土を保全すること、もう一つはこの保全活動を効果的にするために人材育成など幅広い活動をすることです。

たとえば、以前にポストしたチェックダムというのは水の流れ道に建設して、雨水や表土(作物を育てるのに大切な栄養分がたっぷり含まれている)が雨ですぐに流れるのを防ぐ役目があります。この水と土の保全活動にはチェックダムのようにコンクリートを使ったガッシリしたもののほか、ただ土地をさくっと掘っただけのものもあります。詳細はまた今度。

人材育成には、女性たちのグループ(SHG: Self Help Group、自助努力グループ)を作って共同の銀行口座を作ったり、有機農業を普及したり、子どもたちに環境のことを学んでもらったりと、団体によって実にさまざまなとりくみをしています。


私がこの流水域開発という事業に出会ったのは、初めてインドに来たときでした。私が当時所属していた東京の団体はJICAの支援を受けて、インドのNGO(パートナー団体と言います)MYRADAと共にカルナータカ州で流水域開発事業をしていました。

MYRADAは流水域開発にかけてはかなり経験のある団体で、私は事業の内容をぼんやりとしか理解していなかったけど、「なんかこれって、すごい」と思いました。

もともと、途上国の水問題については昔っからガールスカウト活動などで学んでいて、温暖化もあいまって今途上国のあちこちで深刻な水不足が大問題になっているというのは知っていました。それが、途上国の収入のメインになっている農業に大打撃を与えていることも。でもじゃぁ水問題どーすんだ、という解決策については正直何も知りませんでした。だから、水と土を保全して、農業を復興して、なおかつ人材育成をして事業地の人びとの生活水準を全体的に改善する、というこの壮大な事業・コンセプトに惹かれたのです。

このあと、3回目のインド訪問で滞在したCIRHEP(私が入り浸っているNilakottaiの団体)で再度流水域開発事業を見学し、MYRADAとは少し違ったアプローチをしつつ、結果をしっかり出している彼らの活動を見て、もっともっとこの開発事業について学びたい!と思ったのです。

というわけで、2010年に3ヶ月のインターンシップをCIRHEPでやったんですね。以前のポストで流水域開発を含めたCIRHEPの5つのメイン事業について勉強させてもらったと書いてますが、実は5つとも、包括的流水域開発事業の一部なのです。

このインターンシップは、実は大学院留学を見越してやったものでした。このころまでに「インドの大学院に留学して流水域開発について研究をしたい」と考えていたので、その前に実地に滞在して実際のプロジェクトについて知識を蓄えておきたかったのです。

その後、ご存知の通り(?)私はインド行き奨学金をいただくことになり、CIRHEPに近いうちの大学院に受け入れてもらえることになり、ありがたやありがたや、とインドにやってきたわけです。

ここのシステムは2年間の大学院生活で最後の学期しか論文に費やせないので、流水域開発研究のためにはるばるやってきたもののビジネスマネジメントなんか勉強してたりして、(ぶっちゃけ)たまに自分がここに来た理由を見失いかけたこともあります。

しかし、その最終学期に入り、今月の頭からいろんな団体で流水域開発事業のもたらした効果について勉強させてもらって、本当に、心から、うれしく思っています奨学金スポンサーにも今になって大感謝です。また、流水域開発に関わっているNGOスタッフたちのアツい想いを聞くと、インドのNGOってすごい(でも政府はへっぽこ!)と強く感じます。


と、いうことでこれが私の修士論文の内容のイントロです。

わかりづらかったら(つまんなかったら)ごめんなさい。でもこれが私のものすごーく興味のある分野なんです。


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