2013年2月4日月曜日

Provoked インド、イラン、女性

こんばんワニ。

Ootyにて

2月2日The Hinduより


これまで…これだけSneha Verghese

強盗が銀行に押し入って、あまりにもたくさんのお金に"Provoked"(刺激される、扇動される、引き起こされる)されたからと言う。これが強盗をする正当な理由として受け入れられるだろうか。いや、そんなことはない。 
誰かが殺されて、殺人犯が"Provoked"されたからと言う。許されるか?いや。
体罰は許されないし、人道に外れた処罰を行う教師の話は多い。それで彼らが生徒の態度に"Provoked"されたからと言ったら、許されるか?ありえない。

それでは、なぜ、男たちは、レイプに関してはこれが許されると考えるのだろうか。しかし、これがまさに、デリーで23歳の女性がレイプされたときの男たちの反応だったのだ。特に、警察官である。驚くべきことに、女性たちの多くも、レイプや性的いたずらの被害者は彼女たちのせいで事件に巻き込まれたと考えているのだ。
こういった考え方は私たちのpatriarchal(男系社会)の仕組みと深く関わっている
  
男性が全ての決定権を持ち、女性たちはそれに従わなければならない。または女性たちは「自分たちの生活を自分たちの望むように、自分たちで生きるという権利」がないということを信じなければならない。そんな社会である。これを破ったらトラブルになる。それにこの仕組みに従って生きている女性たちは、他の女性たちにもそれを押しつけていく。
 
この考え方は家庭で植えつけられる。息子は娘より大切にされ、自由に生きる。息子が何か悪いことをしても「男の子はそういうものだから」と許される。私たちが同じことをしたら?何をしたって、自分は男だからいいんだという人間がやってくる。暴力だって許されると考えている。女性たちは自分たちが越えてはいけないラインがあることを知らなければいけない、と彼らは考えているのだ。これが家庭内に存在する考え方だ。女性のみが非難され、女性暴行を助長している。
性的暴行が家庭内で起きたら、被害者の近親者まで、責任は被害者だけにあるような態度をとる。罪悪感、憂鬱感、絶望感が彼女を襲う。誰も助けてくれない、母親だって犯人を捕まえようとしない。 
[以下省略]


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映画"Stoning of Soraya M."(2008年)より


Ebrahim「男が妻の浮気を告発するなら、妻は無実を証明しなければいけない。それが法なんだ。だが、妻が夫の浮気を告発するなら、妻は浮気を証明しなければいけない。わかるか。」
Zahra「わかるわ。よくわかる。女はみんな有罪。男はみんな無罪。そうでしょ。」  


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唐突なはじまりですが。

上の新聞記事は今日のもの。12月にデリーで起きた23歳の大学生のレイプに対する社会の反応、これに関するものです。日本でも報道されていますよね。

下のセリフは昨日観た映画、Stoning of Soraya M.からのものです。


この映画、インド映画じゃないです。イラン映画です。革命後の1986年が舞台となっているそうです。

これを昨日観て今日この記事を読んだので、なんだかイランの話だったんだかインドの話だったんだか、一瞬ごっちゃになりましたよ。


私はもともと、女性が社会的に低い位置にいるというのは文化の一部だと思っているので、多少男女で扱いが違うのはある程度は仕方のないことだと考えている人間です。

とか女性権利活動家に言うと怒られそうですが、本当にそう思わざるをえない世界じゃないですか。

世界を見回せば、女性だけが遺産を相続するような国もあるようだし(たしか西インドとか太平洋のどっか。あいまいですけど)、どの国でも、いっつも男性だけが優位というわけではない。文化によっては、本当に男女平等なところもあるのかもしれない。

だけどね…。

憲法で男女が平等だと言っているんだったら、平等に扱わ(れ)なくてはダメですよ

まぁ、これはインドの話であって、イランはどうだか知らないですけど。イランの女性は不平等がしっかり約束されているのでしょうか。


デリーでの事件があってから、新聞はレイプ事件の話ばかりです。地域のニュースでも、国全体のニュースでも、レイプの話がない日がない。

12月の事件から件数が増えてきたのかと言うとそんなことがあるわけないんです。

今まで、メディアだって取り扱ってこなかった、たくさんの、いたたまれない事件

それが今になって騒ぎ立てられているだけのこと。

たくさんの事件が記事になっているってことは、記事になってない、被害者しか知らない事件は5倍も10倍もあるってことでしょう、きっと。

それに、本当に悲惨な話ばかりなんですよ。朝新聞読んでると、本当に気分が悪くなるような話ばかりですよ。何って、書かないけどさ。。。

こういうのを毎日読んでいて、これがインドなんだと思い始めて、そのうちそれが当たり前なんだと思うようになるのが恐ろしいんです。感覚がおかしくなりそうなんです。


デリー事件の後、国のあちこちでデモがあり、「警察は何をしてたんだ」「法律が守られていない」「処罰を重くすべき」と声があがったので、政府も特別に協議会のようなものを作って、これからどういった対応をしていくべきか話し合いをしたようです。

それで結果が出てこうこうこうしたらどうですかと専門家が言えば、活動家たちがそれはちょっと違うと言って法令化を阻止するように大統領に言ってきたり、ともかくゴタゴタしてるんですよ。

私はこんな悲惨なことをするような人間はすぐに死刑になればいいと考えていたのだけど、「自分が死刑になるかもしれない」とわかっていたら、犯人が被害者を殺める理由になるのでそれはヤメた方がいいと言う活動家がいて、それは確かにねーと思った。

あと、犯人に手術をして、一生性的衝動にかられないようにするなんてことを言っている人もいたな。まぁ、悪くないかも。。。


まぁともかく。。。デリー事件が、女性運動をProvokeしたのは確か。

彼女のご冥福をお祈りするとともに、彼女の死が、インドの女性たちの権利や社会的地位の向上につながっていくことを願ってやみません。



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