こんばんワニ。
Ootyにて |
今もうひとつ、女性とインドについて世間を騒がしているニュースがあります。
インド最北部、Jammu and Kashmir州。
カシミヤの産地で知られるカシミールですが
お隣パキスタンとの国境問題もあるという地域です。
この州では67パーセントがムスリムだといわれています。
つい最近、というか去年の12月だったそうですが、
カシミール出身の女の子3人のロックバンドPragaashが
州で行われたバンドの大会で最優秀パフォーマンスを受賞しました。
オンナノコだけのバンドというのは
この州でははじめてのことで
世間も「おぉ~」となったわけですが。
この大会の直後、バンドのFacebookページなどで
脅迫の書き込みがされるようになったのだそうです。
女性のバンドなんてとんでもない!
と、考える人がまだまだ多い社会なんですね。
そんなこんなでGrand Mufti(スンニ系ムスリムの権威者)が
こんなの非イスラム的だと言い放ち
Fatwa(イスラム法による勧告)を出す始末。
これが州のムスリムたち全てからの警告だととらえられたため
身の危険を感じた彼女バンドメンバーたちは
すぐにバンドを解散、
家族と共に身を隠さなければいけなくなりました。
あとになってGrand Muftiは脅しじゃなくてただの警告だった、
ティーンエイジャーはむしろ勉強に励むべきだと言いなおして
(まぁ、後半は最もな話だけど)
もう少しリベラルなインド人たちからの非難を避けようとしたけれど。
これで話は終わってしまうのかと思っていたら。
今日のThe Hinduで
J&K州知事のOmar Abudullahが
脅迫したひとにぎりのバカどもには厳しく対応する
と言い放ったのです。
…かっこいい笑。
もともと州知事の顔を並べたら
かっこいいと思うのはAbudullah氏だけだと思っていたけど
言ってくれるねぇ。
こんなことになっちゃって、彼女たちも大変だろうけど
(州外に逃げているメンバーと家族もいるそう)
州の外でもいいから、再結成してくれないかな。
それにしても、
こういうことがムスリムコミュニティで起こると、
やっぱりイスラムの世界って女性に厳しいのかなぁと思ってしまう。
中東地域の女性がなかなか社会進出できないのは
イスラムのせいではなくてアラブの文化のせい
と以前に書いていた人がいて
(そういえばこの人もいろいろ最近あったけど)
もともと女性の差別等々をイスラムのせいばかりにするのに疑問を感じていた私は
「なるほど。イスラムのせいじゃないんだ」
と妙に納得しました。
けれど、アラブ以外の地域でも
やっぱりこんなことが起こる。
宗教がからむ難しい問題なので
私はこれが悪いとは断言しないけど
大変だよね、オンナノコ。
明日公開…? |
これもこの間の話の続き。
ムスリムたちの感情を害すると言われた話題のタミル映画
がやっとタミルナドゥ州でも公開されることになりました。
この間ちょっと書いたように
映画関係者とムスリムコミュニティとの話し合いを持って
どうすればいいか協議した結果、
7ヶ所くらい削ってOKもらったんだって。
ちょっとここは技術的に削れませんとか言って
本当にお互い妥協妥協だったようだけど。
ところが。
今日のThe Hinduの記事によると
ケララで映画を観た人が抗議して
公開をやめろーと言い出したのだそうです。
しかもなんと
クリスチャンコミュニティに関する先入観を植えつけるから
という理由。。。
今度はクリスチャンかい。。。
というわけで
なんだかごたごたはまだ収まりませんが
裁判所もめんどくさくなったのか、この訴えは却下されたそうです。
この写真は
今日の新聞の広告を撮ったものですが
なんつーか、この帽子とか、ヒゲとか、
ステレオタイプなムスリムって感じで
どうなんでしょうね、そういうのも。。。
あっちなみに書き忘れたけど、
監督兼主演のKamal Hassan自らが
ムスリムの役なんですよ。
もちろん主役=ヒーロー=いい人
であって、
当初はHassanも
「この作品ではムスリムのヒーローを描いているのに…」
とか文句を言ってたんですよね。。。
さぁて明日、何人の観客を動員できるでしょうか。
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